お庭は、そこに住む人の想いが表れる空間。
そして私は、そこに住むお客様の想いをお庭に表現するのが使命。
今回ご紹介させて頂くお庭は、そんなお客様の想いを、
私なりに解釈し表現させて頂いた空間です。
人工芝とピンコロ花壇を用いた“ローメンテナンス”なお庭。
もともと一面高麗芝だったのですが、雑草に負けてきており、
どちらかというと草っぱらのようになってきていたお庭。
「雑草管理を最小限にしたい」、との理由から
“ローメンテナンス”なお庭をご提案させていただきました。
今回は特に、お庭の“色”にこだわりました。
四季をとおして花木が彩りを放つのは当然のこと。
ハード面に関しても。
既存の人工ウッドデッキに合わせ、ウッドフェンスと花壇は白を基調としました。
正確に言えば、フェンスの色は「白」ではなく「ライトグレー」。
家屋の壁面なんかもそうですが、「純白」はあまり使用しません。
汚れが目立つ、太陽の反射がまぶしい、などが理由。
花壇のピンコロ石も「白御影」とは言いますが、
よく見れば黒雲母の粒子などがまじりあっているので
グレーっぽい色に見えますよね。
デッキ、フェンス、花壇、というお庭のハード部分の色を統一させることで、
景色に一体感が出るように思います。
また、白を基調とすることで、草花の華やかさがより一層際立つような気もします。
今年5月から手掛けさせて頂き、先月完成。
一時期に一気に作ってしまわないのは、お客様にもいろいろアイデアを想像していただくため。
頭の中に、リフォームしたいお庭のイメージを持っていらっしゃるお客様の場合は
一気に手掛けてもかまわないのですが、特に決まっておられない場合は、
ゆっくり時間をかけて作る、というのもありではないかと思います。
施工途中の段階で、互いに意見や想いを交換できるからです。
また、私自身が一息ついてクールダウンし、施工途中の状態を客観的に見れ、
より良いアイデアが湧き出ることがある、
というのもメリットではないか、と考えています。
施工を振り返ってみます。
5月。外周、低めのウッドフェンス(ヒノキ板材使用)制作。
ピンコロ花壇。
植栽。
既存のヤマボウシとキンモクセイ、ヒメシャラは移植。
これらは、花壇の高さに合わせて根を持ち上げ高植えをしました。
そして秋口、9月。
花壇の草花がわさわさと茂り、キンモクセイが甘い香りを放つ頃。
中央のシンボルデッキを制作。
インド斑岩を縁石に、イタリアの砂岩タイルをアクセントに。
土間はホワイトセメントで仕上げ。
やわらかで印象的なデザインのデッキになりました。
ここから京都南部の夜景が一望できるんですよ。
すべてが完成する頃には、ヒメシャラやヤマボウシの葉もすっかり朱に染まり、
新しくなったお庭を美しく演出してくれていました。
新たにお庭を造ると、翌年の春が心から楽しみになります。
たくさんの花木が芽生え、いつも想像以上の“演出”をしてくれますから。
また来年お伺いさせて頂きますね。
…毎回思うこと。
お庭は造り上げた時が完成ではなく、始まりなんですよね(*^^)
これからもどうぞよろしくお願いいたします。
<2019/12/3 “お客様の想いを解釈し表現する”>