「琉球の風に吹かれて」庭花がつくる琉球庭

( 沖縄県那覇市・S様邸/2008-2010 )


沖縄に住む知人のお庭を造らせて頂きました。

まず植生が全然異なるので、設計段階から図鑑やら雑誌やらを

あれこれ読み漁ったのを覚えています。

現地でクレーン車をレンタルし、海風に吹かれながらサトウキビ畑の続く道を走り、

現地の苗木屋さんで樹木を仕入れ、現地の砕石やさんで石を仕入れたことは

とても素敵な思い出になりました。

苗木屋さんでは、待ち合わせの時間になってもお店のご主人が現れず、

広大な畑の真ん中で1時間以上も待ちぼうけをしました。

でも、島にいるとゆったりした「島時間」に自分もなるんですよね。

待ち人なかなか来たらず、でも全然イライラもせず、

サトウキビ畑に出入りするウズラをぼ~っと眺めていたことを思い出します(笑)。

アリカヤシ、トックリヤシ、ヤマモモ、クロキ、シマサルスベリ、サンタンカなどなど…

亜熱帯ならではの色鮮やかな植栽は、当時の私にとってはとても刺激的で、

10年以上経った今でも鮮烈に覚えています。

お庭の片隅にある井戸は、琉球石灰岩を積ませて頂きました。

最初は真っ白だった石も、時間とともに風合いが出てきました。

マメヅタなんかがまた、いい味だしてますよね。

沖縄の風習で、入口から玄関までの間に、

魔よけを意味する“ヒンプン”という塀のような石の衝立を配置する

という文化がとても印象的でした。

異なる土地では、その土地ならではの庭文化があるということを学ばせて頂きました。

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