「ぼうけんのもり」ができるまで

園庭と山が隣接する京都市左京区の岩倉幼稚園。

この幼稚園の裏山は「ぼうけんのもり」と名付けられ、

園児さんが思う存分遊べる素敵な森になっているんです!

6年ほど前、私がはじめて訪れたころは、園庭に木々が迫るように茂り、

近づくことさえ憚れ、どちらかというとおどろおどろしい印象でした。

毎年大量の落ち葉や鳥・虫の糞などが園庭や遊具につもるなど、

園にとってもむしろ迷惑な存在でさえあったのです。

でも、山の木々を調べてみますと、どんぐりのなるコナラやクヌギ、

花の美しいヤマザクラ、コバノミツバツツジ、ヤマツツジなど、

生態系としても景観資源としても非常に高いポテンシャルを秘めており、

とっても魅力がある森だと私は確信しました。

うん、こんな素敵な場所を、

園児さんや保護者の皆さま、もちろん先生方にも

知っていただかないわけにはいきません!

そこで幼稚園とご相談させて頂き、眺める森、から使う森へ…

そう、「ぼうけんのもり」づくりがはじまったのです!!

↑ 森への入口に決めた場所(作業前 2014年頃)

急傾斜の山で重機が入ることができませんので、すべて手作業。

つるはしやスコップで山を削り、一段一段丸太で階段をこしらえていきました。

本当に地道な作業…(^_^;)

その後も、何年もかけて、

少しずつ手入れ(間伐・除伐など)を続けながら、

山道を拡張したり、

展望台をつくったり、

ロープ遊具を設置したり…。

展望台制作中。。。園庭が一望できる素敵なスポットです(⋈◍>◡<◍)。✧💛

ロープネット遊具も手作りで。

手を入れて3年ほどが経つと、林床までずいぶんと日が当たるようになり…

コバノミツバツツジがこんなに満開に!

秋には葉っぱが様々な色に色づきます。

秋って本当に美しい季節です!(*^▽^*)

タカノツメの黄葉、コナラの紅葉。

そして今回。

この遊具・展望台エリアよりもさらに山頂方面へ、

「ぼうけんのもり」を開拓・拡張していくことになりました。

「山頂でみんなでお弁当が食べたいんです!」

という保育士さんの声を実現させるため…

間伐を実施。

あんまり鬱蒼としていては、園児さんが怖がってしまい、

「森」という場所のイメージが悪くなってしまいますから。

今回伐採対象としたのは、

劣勢化したヒノキ(いわゆる樹形が歪んでいたり、

他の樹木に負けて弱っていたりする木)や

樹勢が強く他の落葉樹を被圧してしまっているソヨゴやアラカシ、

個体数が多く密度が高すぎるネジキやリョウブ、タカノツメなど。

逆に、意識して残存させたのは、

花実が美しいコバノミツバツツジ、ナツハゼ、シャシャンボ、

山ツツジ、モチツツジなど。

ぼっくりやどんぐりで遊べるように、コナラ、クヌギ、アカマツ、クリなども

残してあげました。

決してやたらめったら伐らず、樹種や密度、生態系のほか、遊び、利用価値のことなど、

森を多面的に考えながら施業させて頂きました。

山頂までの全面開通は、今春(2020年3月)の予定です!

早く春が来ないかなぁ。

現在整備中。少しだけお見せしますね(*^▽^*)

<2020/2/9 「ぼうけんのもり」ができるまで>