沈丁花の香るお庭にて

皆さまこんにちは。

今年は暖冬のためか、春の訪れも早いように思います♪

ウメ 北野天満宮にて
マンサク 木津川市内にて

植栽には適期があります。

教科書的にいえば、

落葉樹は落葉期、常緑樹は春芽出し前(3月頃)か梅雨が良い。

しかしながら、近年のこの異常気象。

本当に今が適期なのか、慎重に検討しないといけないなと実感しております。

今年なんかは、3月に葉っぱが展開してしまう可能性もございますので、

2月のほうが適期だったという結果になるかもしれません。

また、空梅雨で猛暑だったりすると、

適期だと思われた6月に植えた樹木が枯れてしまうことさえあります。

“季節・気候に敏感になる”

私たち庭職にとって、これが most important thing なのかもしれません。

マニュアルがあるようでない。

臨機応変な対応。

いつも忘れないようにしたいものです。

さて今回は、京都市左京区M様邸、

お庭の一部リフォーム案件を紹介させて頂きます。

玄関前の一角、つる草だらけになっていたエリアを一掃し、リフォーム。

Mさまのお好きなジンチョウゲやサツキ、かんきつ類を配植させて頂きました。

最初はこんな感じでした。

今はまだマシなのですが、夏になると雑草やつるが繁茂して

歩くこともできないくらいに茂ってしまいます。

そこで、表層を草の根ごと撤去させて頂きました。

重機を使うととても仕事が早い!!

体力も最小限で済みます。

何事も道具と技術が大事だなぁ。

文明の利器は、要所要所で積極的に活用すべしですね。

植栽エリアを明確化するため、低い石積み(腰積み)で縁切りをしていきます。

また、エントランスの角が破損していましたので、新しいラインでリフォーム。

もとはL型に角ばっていたのですが、新しくはアール状に。

このほうが石積みのラインに合いますし、景色がやわらかくなりますね。

最後に防草シートを敷き、砂利を敷き均せば完成です。

腰積みにオーバーレイズする下草類が、ソフトな印象を与えてくれます。

アベリア・コンフェッティ、西洋イワナンテン・アキシラリス、

ヒメウツギ、トキワイカリソウなどをレイズさせ、お庭を明るく彩ります。

また、ドウダンツツジ、クリスマスローズ、ムスカリ、

バイモ、ゼフィランサス、ヤブランなど、

いろんな低木・野草類を添えましたので、

季節ごとに楽しませてくれることでしょう。

お庭の中で石は、あくまでもわき役だと私は思います。わき役といっても名わき役。

主役である植物の魅力をアップさせる引き立て役です。

ブロックなどのコンクリート製品とは異なり、多彩な表情が出るのも魅力ですね。

ジンチョウゲのつぼみが膨らみ、今にも咲きそうでした。

きっと翌週には、ほのかな甘い香りがお庭一杯に広がることでしょう。

「私は趣味もないしお酒なんかも飲まない。休日には、玄関横のテーブルに腰かけて、

紅茶を飲みながら、このお庭をゆっくり眺めるのが楽しみですね。」

ほほえみながらそうおっしゃった旦那さまの、

優しい横顔がとても印象的でした。

ご依頼ありがとうございました。

<2020/2/29 “沈丁花の香るお庭にて” >