ベルギーの街に想いを馳せて

今月初めに完成した京都市西京区O様邸のお庭。

ベルギー産のアンティークレンガをふんだんに使用させて頂いた、ヨーロピアンテイストを感じさせる空間に仕上げました。足元は、夏場シェイドガーデンとなるので、日陰に強いカラーリーフを主体とした宿根草(ホスタ、クリスマスローズ、ヤブコウジ、ヒューケラ、アジュガなど)を。

このお庭には、いろんな種類の桜が数本、モクレン、そして樹高5mを超えるハナミズキが2本生えてお互いに枝葉を絡ませて緑陰をつくっており、すでに素敵な雰囲気のある空間でした。なので、ハード面を整えれば、絶対さらに素敵なお庭になるという確信がありました。

まずは背景となるフェンスの制作からはじめました。

フェンスのあいだ4か所ほどに、レンガを積んだ柱のモニュメントを配置。

背景の景色のアクセントとして効いてますよね。

アイアンフックもつけてみました。ここにこぼれんばかりの花鉢でも掛けてくださればと思って。

ベルギーの街では、建物の窓という窓から競い合うように花鉢を飾られていた、というOさまのお話からヒントを得たのでした。

リビングからお庭へのアクセスは、もとは壊れかけた小さな縁側があったのですが、これを撤去し、ちょっと広めのアウトドアリビング的なデッキを造らせて頂きました。

90度ではない個性的な建物の外郭に合わせたデッキ。

大工ではない僕、板材の加工にかなり苦戦しました(笑)

でも実は、僕の曽祖父は長野は善光寺の宮大工だったそう(*´ω`*)

その血をひいているから、きっとできる!そう自分に言い聞かせて(笑)

また、お庭の一角には、景色のポイントとしてレンガのモニュメントを制作。

アンティーク感を出すため、目地の仕上げにはこだわりましたよ。

モニュメントは少しアールをつけて強度を高めるとともに、立体感と動きを出しました。

レンガって石同様に表情豊かでおもしろいなぁと思った瞬間です!

園路は、ピンコロ石、ボーン型(骨型)レンガ、コンクリート平板など、もともとお庭にあったものを使わせて頂きました。また、立水栓は完全オリジナルで創作させて頂きました。

掘削時に、土の下から排水桝を発見しましたので、そこを受け盤としてモルタルで制作…

このように、ディテールまで丁寧に手を入れさせて頂き、足掛け2ヶ月の工事は完了したのでした。

リビング正面のハナミズキの足元には、いろんな種類のクリスマスローズを忍ばせてみましたよ。

リビングからの眺めも素敵です(*^_^*)

イマジネーション溢れる素敵な空間づくりをさせて頂き、ありがとうございました。

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<2022/2/20 ベルギーの街に想いを馳せて>

ベルギーに想いを馳せる庭

( 京都市西京区・O様邸 / 2022)

大きな桜とハナミズキがポイントのOさまのお庭。洋風な雰囲気にすることは最初から決まっていました。あとはどんなマテリアルを使ってどんなデザインにするか。計画から一年の時を経て、ようやく施工した案件です。

いろんなレンガをあちこち探しまわり、ベルギーのアンティークレンガを使わせて頂くことに。

ベルギーレンガをご提案させて頂いたところ、偶然Oさまもベルギーにご縁があるようで…。

昔お得意先のベルギーの会社に出張で伺ったことがあるそうで、花いっぱいの街並みがとても印象的だと話しておられました。それをお聞きして、このお庭も花いっぱいにできたらいいなと想像が広がり…。ひとつの事柄から話がどんどん膨らむのは良い流れ。

要所要所にレンガを積み上げ、鉢を飾る花台やアイアンフックを取り付けるなど、色とりどりのお花が立体的に咲くようなアイデアを次々と仕掛けさせて頂きました。

また、園路はもともとお庭にあったものをメインに再利用。ボーン型(骨型)レンガやピンコロ石、コンクリート平板など、使えるものはなるべく使わせて頂きました。これでOさまの思い出も色褪せることはありません。

「マテリアルが生まれ変わって使われる。」

これはまさに、お庭のリフォームの醍醐味ともいえるでしょう。

お客様のベルギーのご縁もあって、お庭に一段と素敵な物語が添えられました。

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耐久性・機能性をもたせたウッド・バンブーフェンス(京都市左京区/2022)

前回竹垣(御簾垣)が造られてから推定10年以上。もう原型をとどめないほどにまで朽ちていましたので、作り直すことになりました。ただし、同じ御簾垣をつくるべきなのか…。

ここは家の裏側に当たり、その向こうは谷となり下を川が流れているということからして、壊れやすい形状のものは危ないのではないかと思い、なるべく骨格が頑丈なものを検討。

ということで、木製フェンス(ウッドフェンス)をご提案させて頂きました。

御簾垣のラインを踏襲して横方向の板を這わせ、その間に何箇所かアクセントで小竹を挟み込む和モダンなデザイン。板の塗装は、母屋に合わせた落ち着きのある濃い茶色(ウォルナット)で。適度な目隠しと風通しを兼ね備えたウッド・バンブーフェンス。木材は、地元京都の桧材を使用しています。

竹のほうが早く朽ちるかとは思いますが、その際は、小竹のみ交換すればよいので、総合的なコストパフォーマンスはかなり高い構造だと思います。

ウッドフェンスは、アルミ等の素材に比べ温かみがあり、周囲の緑とも合い、とても柔らかな景観となります。定期的な重ね塗りをすればより耐久性は高まります。柱の根元に水が回りにくい構造にすれば、15年は問題なく使用できるものと思われます。近年木造住宅が再注目されていますし、お庭の背景へのウッドフェンスは大変おススメですよ。

<京都市左京区S様邸/2022>

水道を使うのも楽しくなりますネ *.,”\(*‘v‘)/~♪(京都市左京区/2022)

よくある色気ないプラスチック製の水道。

ホースもむき出しのままで年々劣化し、なんとなく使うのを遠ざけてしまっていたようです。

ホースを見えないように収納したい、とのご希望から、壁から20㎝ほど離してウッドフェンスを設置。そのフェンスの中にオリジナルの立水栓をはめ込むように立ち上げ、景色に立体感を出しました。立水柱はモザイクタイルを貼り付け、まわりにはアンティークな塗装を。少し緑を添えることで、ナチュラルな雰囲気を感じる”お庭”になりました(*^-^*)

これなら、水道を使うのも楽しくなりますよね♪

庭花では、敷地の一角のちょっとしたところでも、お洒落で素敵な空間に変身させますよ。

いつでもご相談くださいませ(^^)/

<京都市左京区T様邸/2022>

アンティーク&カントリー調のお庭に♪(滋賀県大津市/2021)

家を建てた際に植えた4本のコニファーが、気が付けば大きくなっていて…。最初は可愛かったのに…。そんな話、よく耳にします。

当初は、このコニファーをどうしたらよいかとのご相談だったのですが、お話を進めていくうちに、アンティークなお庭にリフォームしたいという流れになりました。

メッシュフェンスでお隣の駐車場が丸見えなので、アンティークレンガとウッドフェンスで目隠し。既存の門塀の笠木にもアンティークレンガをのせて、景色に統一感を出しました。

植栽エリアはもう少し手前まで広げ、地形に起伏をつけました。高木にはアオダモ、ナツツバキ、ヤマボウシウルフアイなど。低木やカラーリーフ、宿根草もふんだんに植えましたので、季節を問わず彩りを楽しむことができますよ。

(滋賀県大津市K様邸/2021 作庭集もご覧ください)

これならティータイムを楽しめますね♪(京都市西京区/2021)

シラカシやリキュウバイ、コブシなどが大きく育ち、お庭がすっかり暗くなっていたI様のお庭。

お庭でティータイムを楽しみたい、という奥様のご希望を叶えるべく、リフォームさせて頂きました。

UNISONのレンガを床と土留めに用い、要所に花台として積み上げ、景色のポイントに。

もともとグリーン系の葉色のものばかりでしたので、銅葉や銀葉、明るい黄緑などのカラーリーフ系の下草や低木をふんだんに植え、彩り豊かなお庭に変身!

これならちょっとした椅子とテーブルもおけますので、いつでもティータイムにできますね♪

(京都市西京区I様邸/2021)

エシカル庭園「ジャパニーズガーデンの令和的解釈」

( 京都市左京区・M様邸 / 2021)

 UNISONフォトコンテスト2022 

  「住まいと暮らし部門(プライベートガーデン)」入賞「にわそと暮らし賞」受賞


敷地の増加により、既存の庭が中途半端な形状になってしまったことから始まったお庭の大々的改修。

敷地の中央に孤立してしまった生垣などは撤去し、全面的なリフォーム(リノベーション)をご提案させて頂きました。

お庭では、休日にご主人がお茶を嗜んだり、ご家族で集まってバーベキューをしたいとのご希望から、中央をオープンスペースとしてデザインさせて頂きました。敷設材は、UNISONのコンクリート平板(Livio)。

家屋が木造瓦屋根の日本建築であったことから、和の雰囲気は踏襲させたかったので、石灯篭や大きな景石などを随所に配し、日本庭園の趣を演出。先出のUNISONコンクリート平板はフラットタイプとスリットタイプをランダムに織り交ぜて敷設することで、流線型の「砂紋」をイメージ。日本庭園の“海”(本来は砂利)を、現代のマテリアルで表現してみました。ちなみにコンクリート平板は、クラッシャー基盤の上に砂で据え付けるため(端部など、一部をモルタルで固定しています)、雨水浸透性が高く、周辺の植物の根の生育にも影響が少ないので、環境にやさしい素材ともいえます。

また、既存の玄関前からのつながりは、諏訪鉄平石と細かい石だたみで景色に変化を出しました。

掘削時に大量に出てきた川石は、庭の一角に石積みとして再利用。この石積みは当初のプランにはありませんでしたが、地産地消のアイデアで素敵な風景を作り出すことができました。

このように、和を基調としながらも、眺めるだけの日本庭園ではなく、多様なライフスタイルにも対応でき、すべての生き物にも優しい、エシカルでエコロジカルなお庭となりました。

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芝生が映えるさわやかな雑木の庭

( 滋賀県大津市・F様邸 / 2021)
家のリフォームに合わせて、お庭も全面改修させていただきました。

お庭の方位をまず見極め、西側に大きな木の群落を取り入れて木陰をつくることから考えました。でも冬場は陰になりすぎると暗くて寒くなってしまいますので、落葉樹主体にしたいと思い…コナラ、アオダモ、ジューンベリー、ヤマザクラ、ヤマコウバシなどを。落葉樹で西日に比較的強い樹種は限られていますので、その樹種選択はとても大事だと考えています。

まんなかは集いの場として芝生にしていますので、その周囲を高い木々で囲むようにデザインし、プライベート感を出しました。

和室前に石積みと高木植栽をすることで芝生広場との空間を区切りました。これなら、和室からは芝生やレンガ花壇は見えにくく、和のテイストを感じられる風景になります。

玄関前から芝生広場へのエントランスは、レンガとコンクリート枕木の園路で軽やかなリズム感で。お庭へ向かう高揚感を演出。

比叡山山麓の花崗岩真砂土は、目が細かく根詰まりしやすいので、土壌改良に力を注ぎました。ダンプトラック満載で搬入したバーク堆肥をはじめ、真珠岩パーライトや微生物活性汚泥、燻炭、もみがらなども混ぜ込んで基盤の土を改良し、縦横に張り巡らせた通気水脈の造作でお庭全体の水や空気の移動を設計しました。お庭の一角には、深さ1mほどまで重機で掘り下げ、そこに石を空積みして蓋をした天然の排水口を設けました(スライドショー8枚目)。大雨で表面排水が飽和した際は、この排水口に流れ込む仕組みとなっています。

シナノキ、スズランノキ、ナツツバキ、紅ドウダンなど、繊細な雑木も(もちろん生育環境を考えながら)植えていますので、今後の生育状態の経過が楽しみでもあります。

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木々をはぐくみ、景色をはぐくむ通路庭

( 京都市左京区・T様邸/2018 ~2022)

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新築のお宅のぐるりを、変化を楽しみながら歩ける”通路庭”にしてみました。

まず、玄関前では、動きのあるイロハモミジとヤマコウバシが出迎えてくれます。

イロハモミジは、通る人を思わず立ち止まらせてしまうほどの鮮やかな紅葉。

なかなか落葉しないヤマコウバシの茶色いシックな色の葉は、冬でも玄関前を飾ってくれるので、寂しくありません。

お庭へのアプローチは、川石を敷き詰めた石だたみから三和土風洗い出しの小径、そして延石や石臼の飛び石、砂利敷きへと変化していきます。

アプローチ沿いには、コナラ、アオダモ、ヤマボウシなどの木々が色を添えます。

もともと、土壌基盤がかなり悪く、固い粘土やコンガラなどの建設残土が各所に見られた土地。

夏場の過酷な西日を受けやすい条件も相まってか、2018年に植栽した木々の成長が芳しくなく、なかなか枝葉が伸びません。そこで、2021年に土中環境改善のメス入れ、通気水脈の造作、そして高木の補植をさせて頂きました。お庭の西角に新たに植えた株立ちのコナラがお庭に木陰をつくることで、他の植物が快適に育つことができることと願っております。また、2022年には、道路沿いに低いウッドフェンスを設置させて頂き、根元への直射の緩和を促しました。

やがて木々が大きく育つにつれて、足元の植栽環境もまた変化していくことでしょう。また、玄関や和室への日射を遮ってくれれば、夏場の室内の温度上昇も抑えられると期待しております。

まだまだ始まったばかりのお庭ですが、お客さまとともに、ゆっくりと末永く見守り育てていきたいと思います。

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レンガと枕木のポタジェガーデン

(京都市左京区・T様邸 / 2021)

お庭の一角に、どこかのカフェみたいなナチュラルガーデンをつくりたいというご依頼。

軒の長い和モダンな木造建築の家屋ですので、アンティークな雰囲気で既存の庭風景になじむよう配慮しました。

背景のブロック塀沿いに横板を隙間なく並べたウッドフェンスに、花壇のポイントに中古枕木を使うなど、随所に木を使うことでナチュラルで穏やかな雰囲気をだしました。

近くにはカツラ、アオダモ、ブルーアイス、ヤマボウシなどの高木が生えていますので、ジューンベリーとナツハゼを添えて、森からお花畑へつながるような景色を。

花壇といえども、地形に起伏を出し、宿根草や低木類も背丈のあるものを植えましたので、四季を通してボリュームのある空間を楽しめるようになりました♪

また、ガーデンの横には野菜や花を育てる畑も併設しておりますので、まさにポタジェガーデンとしてご家族で楽しんでくださっています。ありがとうございます(*^-^*)

#雑木の庭 #花の庭 #雑木と花の庭 #宿根草の庭 #アンティークレンガ #ウッドフェンス

変化からの進化。 2022 謹賀新年

 

(倒木更新の典型。枯死した木の上に落ちた種子からの芽生えが、次世代の森をつくっていく。屋久島にて。2009筆者撮影)

 2022年があけました。

 「コロナ」という世界を大きく揺るがすウィルスは、2年が過ぎた今もなお、変異を繰り返しながら世界に猛威をふるっています。私自身もよくわからないままに、メディアから入る情報だけを頼りに自分なりに行動を判断するしかありません。とりあえずワクチンも接種しましたが、どこまで効果があるのかは自分では全くわかりません。

 いろいろなことが制限されてきたこの2年間。その間に私は、いろいろなことを考えさせられてきました。

 しかし、変異したのはウィルスだけではありません。人々の考え方、生き方(ライフスタイル)、価値観…。いろいろなものも確実に「変異」しているように感じます。それに合わせて私自身も「変異」したなぁと思います。

 その「変異」をどう捉えるか。「変異」というと聞こえがあまりよくないですが、私はそれを「進化」と捉えてみようと思っています。

 2021年、“庭花”のスタイルは大きく進化した1年でした。庭の手入れを中心に考えていた年間スケジュールを根本的に見直し、庭づくりを積極的に組み込んでいきました。庭づくりをするのならば、植栽は必要不可欠。その植栽環境への配慮に特に情熱を注ぎました。過去に手掛けてきたお庭でも、植物の成長が芳しくないところは、改めてメス入れをし、土中環境の改善を試みました。(この技術に関しては、今後少しずつお話していこうかと思います(Instagramでは度々投稿しております)。私は愛知県のJinen Gardenさんからその多く(基礎)を学ばせて頂きました。土中環境の改善の重要性については、千葉県の造園家である高田宏臣さんが有名ですが、その影響を受けた造園家が日本各地で活躍しており、Jinen Gardenの江川聡さんもその一人です。江川さんには本当に感謝です。)

<高田宏臣さんの代表的な書籍「土中環境 忘れられた共生のまなざし、蘇る古の技」「これからの雑木の庭」>

 土中環境の改善、いわゆる土の中に空気や水が行き来できるような道(空隙)をつくってあげるだけで、植物の根系の発達は格段に良くなることが実感できました。おそらく、常にフレッシュな空気や水が土中を行き来することで菌根菌や好気性バクテリアが健全に生育し、それにより植物の根の成長ホルモンが活発になるのだと思います。私の経験ですが、京都の森では比較的普通に見られるコバノミツバツツジやヤマツツジ、ソヨゴ、アオハダ、シャシャンポ、ナツハゼなどを庭に植えるとすぐに樹勢がくだることが多く、その理由もわからず困っていました。しかし、通気水脈の造作をほどこし土中環境を整えると、これらの木々も健全な生育状態を維持できる傾向にあることがわかってきました(まだ時間経過が浅いので、今後も注意深く経過観察をしていくことが必要ですが)。また、表層のマルチングも大きい効果を上げていると思いました。木々の根もとにバーク堆肥や落ち葉などを敷きつめ、森林内の表層と同じような仮想A0層をつくってあげることで、夏場の根の温度上昇を防ぐと同時に乾燥も防ぎ、菌根菌やバクテリアの発達、分解微生物や昆虫類の生息をも促します。そうやって高木が順調に健全に生育をしていけば、その足元の中低木や下草類もすくすくと育っていきます。同じ科の植物同士でしたら、菌根菌を共生することもありうるかと思います。土壌が豊かになれば、落ちた種子からの発芽も率よく育つことでしょう。

 結局お庭もひとつの生態系であり、植えられている植物同士が密接に関係しあって生きています。そこにくる鳥や虫も、受粉や食餌をする生態系の一員として不可欠な存在です。そうやって生き物たちのいろんな関係性を意識し、お庭づくりを「自然環境づくり」として捉えれば、私ガーデナーとしてのお庭への向き合い方も大きく変わってきます。

 2021年はそんなことを改めて実感した一年でした。

 自然が好きでこの仕事に就いた。その原点を忘れずに。

 原点回帰と進化発展、そして技術の深化。その間をいったりきたりしながら、今年も私は歩み続けたいと思います。

 

 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

庭花 niwahana landscapes kyoto 代表:吉野ひろき

<2022/1/3 変化から進化へ。2022 謹賀新年>

森の中の和モダンの庭(2)

さて、前回の続き。

(さて、…といいながら、前回投稿からずいぶん時間が経ってしまいました(笑))

植栽です。

3t車と4t車に積まれた樹木たちを、次々とお庭に。

まずはダイナミックな樹形のアオダモ。

お庭の中央にドーンと植え込みます。

コナラ、アカシデ、アオダモ、ヤマモミジ、ヤマボウシ…

大きな樹々が次々と空を飛び、所定の場所に収まっていきます。

空を飛んでいる段階で、植付位置、隣の木との距離感、木の向き・傾きなんかを

ある程度決めておくことが重要なんですよ(*’ω’*)

おおっ!一気に良い感じになってきました✨(≧▽≦)✨

雑木は、単体ではちょっと頼りない感じですが、複層に組み合わせてこそ生きてきますね。

早くも来年の芽吹きの季節が待ち遠しい♪

…高木を植えたら、あとはお庭のディテールを仕上げていきます。

UNISONの組積材(タウラ)を使ったベンチ。

駒寄垣(犬矢来)を彷彿させる細かな縦格子がとっても上品です。

天板は、諏訪鉄平石。

お客さまはお忙しいお方。

夏場でも散水を忘れることのないよう、タイマー式のドリップチューブを配管しました。

また、既存の玄関前からお庭へのつながりは、石だたみに。

最後に、2段式の縁側をつくれば、お庭の完成です!

中央のコンクリート平板は、ランダムな波模様で海をイメージ。

日本庭園の定番である「砂紋」を現代のマテリアルで表現してみました。

眺めるだけでなく、使える和モダンの庭の完成です!

秋冬は葉が落ち明るいお庭。

夏は葉っぱのベールに包まれ優しい木陰となるお庭。

四季をとおして様々な表情を見せてくれるお庭。

お庭はできた時が、オワリではなく、ハジマリ。

草木の成長とともに景色がどんどん変化・成長していくのが楽しみですね。

素敵な経験をまたひとつさせてくださり、ありがとうございました♪

<2021/12/13 森の中の和モダンの庭(2)>

森の中の和モダンの庭(1)

秋は早足。

ついこの間まで汗ばむ陽気だったのに、もう上着がいる寒さ…。

今日の雨で色づいた葉も散っていくのでしょうか。

さて、先日完成したお庭をご紹介します。

和テイストでまとめた雑木の庭、といえばしっくり来るでしょうか。

お庭の一角に織部灯篭を配置し、落ち着いた雰囲気に仕上げました。

既存の玄関前から石だたみを通じてお庭へと続きます。

お庭の中央は憩いのスペース。

コンクリート平板で意匠性をもたせて。

では、施工の様子。

最初はこんな感じでした。

大きくなりすぎた生垣がスペースの中央にあり、どうしたものかという…

さらに周辺は、アレチヌスビトハギ、アメリカセンダングサ、ヤブガラシ、ヘクソカズラなど、お庭にとって大敵な雑草が繁茂しており、管理に悩まされておりましたので…

まずはこれを伐採撤去していくことに。

木々の抜根と表層の剥ぎとりには、やはり重機が必要。

ということで、重機を入れるがために、フェンスとブロック塀を一部カット。

重機があれば本当に仕事が早い(*^-^*)

あっという間にさら地になりました。

さぁ、お庭をつくっていきますよ。

まずは境界部分。

アルミフェンスがかなり視認性の高いものでしたので、軽い目隠しのため、重ねるようにウッドフェンスを設置。

アルミフェンスの柱を利用して立込みました。

このウッドフェンスが、後々お庭の借景としてとても効いてくるんです!

お庭に、石を入れていきます。

お庭の中央のスペースには、模様のあるコンクリート平板を張りました。

ランダムながらもリズム感を意識して。

UNISONの Livio[ai]60 の 300角 と スリット 。

既存の玄関と駐車場からのアプローチは、大判の鉄平石でダイナミックに。

なんとなく、お庭らしくなってきましたね(*^_^*)

今回はここまで。

続編はまた次回お伝えしますね。

<2021/11/22 森の中の和モダンの庭 (1)>

ナチュラル・パーキング・ガーデン

(京都市左京区・K様邸 / 2021)

リビングの南側にある駐車場の周囲のリフォーム案件。

ブロックで囲まれた花壇と砂利敷の背景が、ちょっともったいないスペースになっていました。

花壇を囲むブロック塀の一部を撤去し、砂利敷のスペースと空間をひとつの庭として繋げることに。

造成盛り土されたここの地盤は、よく締め固められていましたのでとても固く、土中環境の改善に力を入れました。

お隣の敷地と近接した空間でしたので、新たに植えた木々は少々小ぶりなものに。(高いものでも3.5mほど)

地形に起伏をつけることで、景色に立体感と動きを出しました。もちろん土中の水や空気の動きも活発に!

もともとあったヤマボウシを中央に、2本のアオダモやジューンベリーがその背後で西日から守ってくれるよう配植。

また、ブロック上にウッドフェンスを設置。手作りのウッドフェンスは、お庭の背景として美しいだけでなく、木々の足元を強い日差しから守ってもらえるというメリットもあります。アルミフェンスより夏場の温度上昇が少ないことも利点かもしれません。

リビングから駐車場を眺めるのが憂鬱だったというK様。

これでもう、そんなことはありません!!

これからは、思う存分眺めてくださいね~(*^-^*)

#雑木の庭 #駐車場庭 #こもれびの庭 #アンティークレンガ #ウッドフェンス

#癒しの庭 #アオダモ #ヤマボウシ

ゆったり広々、木立に囲まれた心地よいお庭づくり(2)

前回の続きです。

土壌改良をしっかりしたら、植栽に入ります。

手では持てないほどの重さの木々を、続々と植え付けていきます。

どしゃぶりの雨の中、三重県の鈴鹿からも高木が到着です。

コナラ、アオダモ、ヤマボウシなど、4~6mクラスの大木が次々と空を飛びます、飛びます(笑)

あっという間に森が出来上がってきました!

6月といえども、暑い日は30℃を越えますので、植付はスピードが勝負。

根を乾かしてしまうと、木は一気に衰弱してしまいます💦

早くも木陰が心地よいな~(*^-^*)

レンガや石を使って、お庭の細かいラインを形作っていきます。

*****

6月はいったんここまで。

芝張りなどの作業を秋に残し、ひたすら水やりに明け暮れ、夏が終わるのを待ちました。

これ、8月上旬の様子。下草がちょっとずつナチュラルに繁茂してきましたよ(^_^)

*****

そして季節は秋。

芝張りなどの仕上げの作業に入らせて頂きました。

夏の間固くなった表層を重機で攪拌。

草の根なども除去し、土壌改良をしっかりと。

そして芝張りです。

芝は水はけが大事ですから、中央を膨らませ水たまりができにくい地形にします。

足もとに緑が入ると、一気にお庭らしくなってきますね!

芝生広場から和空間へと流れる通路のとちゅうに、アクセントとして石だたみを。

この石だたみ、表面排水を逃がすためのものでもあるんです。

ここは真ん中の芝生広場から急にせまくなるところ。

大雨時に流れて水みちになるといけないので、この石だたみの手前に横溝と縦穴を掘り、天然の排水口を設けたのでした。

↑こんな感じです。

また、お庭の片隅には、アンティークレンガと敷石でベンチを制作。

このように、細かいところの景色を修める手仕事を重ね、お庭全体の空間バランスを調整し・・・。

とうとう完成です!

レンガと枕木のエントランスを抜けると…

木立に囲まれるように芝生が広がります。

素敵なスペース✨

お客さまはお友達をたくさん呼んで、BBQをしたいと笑顔でおっしゃっていました(*^-^*)

石積みが見えるのはちょうど和室前。ここは飛び石と川砂利で足元を修め、和モダンテイストを感じらせる空間として演出しました。石積みとエキナセアの異コラボがまた、とっても素敵な風景になっていますね。

どこから見ても絵になるお庭。

このような素敵なお庭を造らせて頂き、素晴らしい機会をくださったF様には本当に感謝です!!

ありがとうございました m(_ _)m

<2021/10/24 ゆったり広々、木立に囲まれた心地よいお庭づくり(2)>

会社を爽やかに彩る庭(勝田水道株式会社)

(京都市南区・勝田水道株式会社 / 2021)

西向きに入口と窓がある水道会社の玄関前庭。

当初は花壇をつくって低木やお花を植えてほしいとのご依頼でしたが、西陽を遮ることも大事ではないかと考え、大きな樹々を入れることをご提案させて頂きました。

植栽ゾーンと三和土風舗装の間はアンティークレンガを積み、優しい雰囲気に。

また、玄関前ポーチは古材の敷石と階段石で、あたたかな雰囲気を演出させて頂きました。

「事務所っぽくしたくないなぁ」とおっしゃっていた勝田社長。

緑や草花に包まれた空間には、もはや堅苦しい会社のイメージは微塵もありませんね(*^-^*)

「なんかジブリっぽい雰囲気がいいわぁ」と従業員。

事務所がやさしく穏やかな雰囲気になりました(*^^*)

外観の印象ってとても大切かもしれませんね!

#雑木の庭 #玄関前庭 #こもれびの庭 #アンティークレンガ #古材 #敷石 #階段石 #三和土風土間

#懐かしい #ジブリっぽい