こんにちは。庭花 niwahana landscapes kyotoの吉野です。
朝晩は涼しくなり、すっかり秋めいてまいりましたね。
最近何人かのお客さまから、
「ブログまた書いてくださいよ~、楽しみにしてますから!」と言われ、
また書こうかな、とついに思いたち…。
今後は、少しずつゆっくりと書き連ねていければと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
さて今回は、そんなとあるお客さま(S様邸/京都市左京区)のお庭を紹介します。
私がこの庭を手がけ始めたのは2012年頃。
最初はまだお庭のカタチにはなっておらず、何となく芝生のある空き地のまわりにお花が咲いていた、というような印象でした。
結構広い空間ですので、お庭としてのメリハリをつけるには、景色をつくるポイント、インパクトが何か必要になります。
そこで、お庭の中央にシンボルツリーとしてアオダモを植えさせて頂きました。
今ではこれがずいぶん大きくなり、となりに植えたエゴノキとともに、立派な木陰をつくってくれるほど存在感のある木になりました。
庭に木陰ができると、環境の多様性が増しますから、一層いろんな植物を育てることができます。
この写真はGWの頃の様子。ジキタリスがまたいいアクセントになってますね(*^-^*)
それから、もちろん欠かせないのがバラ。
人気のピエール・ド・ロンサール。仄かなピンクの花芯が何とも言えません。
最初は手前の花のようなカップ咲きですが、後半になると奥の花(ぼやけてますが)のようなロゼッタ咲きに変わっていくのが特徴です。
他にも、アイスバーグ、バフビューティーなどいろいろありますが、それはまたの機会に。
このお庭、四季を通して様々なお花を咲かせてくれるのですが、魅力は何といっても野草、野の花。
S様は、雑草の類も大切にしているので、今では空き地や道端でなかなか見ることが難しくなったような懐かしい野草も、このお庭では見られます。
このお庭の一角には、“雑草園”と名付けてあえて草取りをしないエリアがあるくらいですから(笑)
手入れに伺うと、つい除草したくなってしまうんですけどね。。。
4月頃になると一斉に咲きだす、黄色いタンポポのような野草。
地面を這うように葉が伸びることから、「ジシバリ(地縛り)」と呼ばれています。
ちょっと透きとおったような黄色が実に清楚です。
ミッフィーの絵本にも出てきそうな大輪のマーガレット。5~6月。
オレンジ色がまばゆいヤブカンゾウ。7~8月。
薄紫の花弁が上品なカクトラノオ。9月。
ニラの花ってこんなに可愛かったんですね。ネギとは時期が異なり、9月頃に咲きます。
季節ごとに主役が変わっていくお庭。
用もないのに幾度と立ち寄ってしまいます(笑)
いえいえ、お花を愛でる、という大切な用事があるのですけど。
お庭は常に変化・成長しているんだな、と改めて実感させてくれる場所。
常に完成することはありません。
その表情は刻一刻変わっていきます。
また、年によってもちがう。
ある草花が繁茂する年もあれば、衰退し別の草花が繁茂する年もある。
そんな小さな変化に気づき、自然からまた必ず何かを学びます。
いろんなことを感じながら、日々お庭の手入れをさせて頂いております。
学ぶことだらけ。日々に感謝。
本当にありがたいことです。
(2019/9/25 “お庭は常に変化していきます。”)