またひとつ、雑木と花の庭ができました(*^-^*)
大きな木は、建築を美しく見せてくれます。
そして足元には、色とりどりの宿根草。
日向が好きな花、半日陰が好きな花…。
それぞれの環境に合わせて、配植しました。
大きな木があれば、木陰ができ、こもれびの下で可憐に咲く花が育ちます。
もとのお庭は…
水はけが悪く、大雨のときは、庭がプール状態になってしまうほど…💦
お庭に植えてあるオリーブは、この硬い土に根を深く伸ばすことができず、
風で倒れてしまったことも。。。
そんな過酷な土壌条件の敷地に、
「家族が集い遊べる、花咲くお庭を。」とのご依頼を頂きました。
今回のポイントは土中環境の改善。
というわけで、地盤づくりにもっとも力を注がせて頂きました。
まずは掘削・開墾から。
掘ってみますと、表層10㎝ほどだけ真砂土を入れてあるだけで、
その下は、埋め立て建設残土と思われるガラや砕石、粘土の混じった地盤
だということがわかりました。
重機でないと掘れないほどの硬さ。
表層にしかオリーブの根が張っていないわけです。
悪い土を搬出処分したうえで、植栽箇所の土壌改良をします。
土壌改良に合わせて、通気水脈の構築をしました。
塀沿いに、空気と水が通る“道”をこしらえます。
縦穴は、深いところで80㎝以上。
道路と同じ高さまで掘りました。
縦穴には竹筒を、横溝にはいろんな太さの枝葉や石などを入れます。
これで雨水は表層だけに留まることはありません。
今年は桜の開花が早かったように、木々の芽吹きがかなり前倒し。
植栽を優先的にしなければなりません。
そんな理由から、塀沿いの通気水脈をつくった時点で植栽にかかりました。
南から西方向に、日よけとなるコナラ、シラカシなどの高木を植えます。
コナラの下でアオダモ、アオダモの下でドウダンツツジとブルーベリー、
シラカシの陰でサワフタギ、サワフタギの下でオスマンサスデラバイ…
高木・中木・低木の階層を考えながら配植しました。
真夏の気温上昇が激しい昨今、樹木が暑い夏をしのげるよう、
今まで以上に配慮・工夫が必要かなと思います。
森の中が真夏でも涼しいように、
木々を重ね合わせ、小さな森空間を作ることで
樹木から草花に至るまで、互いに助け合うことができるのです。
樹木植栽を終えたら、お庭の真ん中に家族の集えるスペースを造ります。
インターロッキング舗装。
インターロッキングブロックは、砕石と砂が下地ですので、雨水浸透構造の舗装材。
植物や地盤にも優しい構造ですね(*^-^*)
目地は珪砂といって、細かい砂を充填。
お子さまがお手伝いしてくださいましたよ(笑)
お砂場の砂よりもサラサラで目の細かい珪砂は、宝物のよう。
箒ではくと、幅3~5mmの目地に入り込んでいくのが面白かったようでした(^^)
樹木のあいだにも、通気水脈を張り巡らせます。
築山に降った雨や日々の散水を、表層だけで流してしまわないよう、
土の中に浸透させる仕組み。
水脈を造り終えたら、草花を植えます。
これもお子さまたちがお手伝いを♪
「ホタルブクロ?変な名前!」
「蛍を捕まえて入れておくと、光る袋みたいに見える花の形からついたんだよ」
「植物もみんな名前に意味があるんだ!」
学びながらの作業。
こうしてひとつひとつ、身近な自然に興味を持ってくれると嬉しいですね(*^-^*)
最後に、表層をマルチングします。
ふかふかの土をまぜまぜ。楽しそう♪
森でいう、いわゆる“A0層”となる部分。林床と同じ構造をつくってしまうのです。
バーク堆肥や落ち葉などを混ぜ合わせたものを、地表に敷きつめます。
これで雨水は、表層をじんわり染み込み、土中にゆっくり涵養されていきます。
保水性も浸透性も高い土壌ですので、まずは草花が生き生きとしてきます。
この写真は植栽後5日の様子。花も葉も生き生きとしてますね!!
また、塀沿いは地盤を上げた分、石を積み土留めとしました。
ちなみに、ほとんどが敷地内を掘った際に出てきた石。
実はこれ、土の中の見えない部分も積んでいます。
自然に崩れてかみ合わされたように。
石の合端に草木が生えてきたように。
無作為の作為。
こうして、土中の水と空気の流れを細かに考えながらつくったお庭が
出来上がりました!
ほら、もうこもれびができてますよ!
木々の青葉が覆い茂る日が待ち遠しいですね。
※2Fから見下ろした角度のお写真は、お客様がご提供くださいました。ありがとうございます!!
また、プライバシーの関係上、一部の写真で、背景にモザイクをかけております。ご了承ください。
<2021/4/3 “花咲くこもれびガーデン”>