こもれびの駐車場

あっという間に10月。朝晩もずいぶんと気温が下がるようになりました。

この寒暖差が、木々の葉を徐々に色づかせていくのでしょう。

さて、先月後半に手掛けさせて頂いた雑木の庭をご紹介します。

駐車場をL字に囲むスペースをお庭に(*^-^*)

建物の東角~南面に位置し、リビングの正面にもあたるため、カーテンを開けるといつも見える景色。

既存のヤマボウシを生かしつつ、新たに樹高2~4m前後のアオダモ、ジューンベリー、シラキ、ソヨゴ、ヤマコウバシ、ドウダンツツジなどを植え、木々がそよぐ優しい空間を演出させて頂きました。

ブロック沿いには新たにウッドフェンスを設置。

緑の木々とウッドフェンス、とてもよく似合いますね!

では、施工状況をダイジェストで見ていきましょう。

…施工前はこんな感じでした。

ブロックで囲まれた花壇に、花木がちらほら。駐車場の後ろは砂利敷で、その中から木が何本か生えているだけ。

なんとなく寂しいなぁ、というK様のお気持ちもよくわかります。。。

囲まれた「花壇」というと、お花を植えなくてはならないようなイメージが強くなりますので、思い切って囲いを壊すことをご提案させていただきました。

砂利エリアとの間にあたるブロックを解体撤去。

そうすれば花壇部分と空間が一体となって繋がり、また、土の中を水や空気も行き来することも可能になります。

新たに土を追加し、バーク堆肥や牛糞堆肥、ピートモス、もみがら、パーライトなどを混ぜ込み、ふかふかの植栽基盤をつくります。

今回入手した真砂土が少し粘性が高い気がしましたので、川砂を混ぜ込んで固結を緩和させてみました。

そしてウッドフェンスを制作。

支柱はアルミ角柱、横板は京都産ヒノキ板。

これに防腐剤入り塗料を塗装すれば、耐久性は10年以上は全然問題ありません。

(数年に一度、再塗装(塗料の上塗り)をすることを推奨します。)

また、奥の駐輪場へのアプローチをレンガで制作。

アンティークレンガに白目地。出来立てなのに落ち着いた味わい深い雰囲気になりました。

そして植栽をしていきます。

ところどころに縦穴を掘り竹筒を設置し、生育環境を整えます。

これ、水や空気が、木の根深くまで到達するように造作したもの。

このように、植えた木々のあいだにも縦穴と横溝を掘り、竹筒や枝葉・石などを入れて通気水脈をつくります。

ここに降った雨水は、表層を流れ落ちるのではなく、凹んだこの横溝を伝いやがてどこかの縦穴へと導かれます。たっぷりの水を吸った根は、成長が半端なく良いように感じます。

樹木を植えつけ、通気水脈をこしらえたあとは、宿根草やグランドカバープランツを植えていきます。

下草の葉っぱの色・形に変化をもたせ、一年中彩りが楽しめるようなコーディネートをさせて頂きました。

下草を植え、最後に表層が見えている部分にマルチングをほどこせば…

完成です!!

建物の格を上げる、流れるような木々の陰影。

ウッドフェンスもまた景色を引き締めてくれています!

フェンスの足元を少し空け、下草がこぼれ出てくれるように誘いました。

これなら、道行く人も楽しむことができますね。

<2021/10/4 “こもれびの駐車場”>