雑木の庭は、オーケストラのよう

一気に春めいてきました。

気温が上昇すると、木々の新芽はぐっと膨らんできます。

さて、先月完成したお庭をご紹介します。

芝生がメインのこのお庭。

その芝生の片隅、和室前を中心に、こじんまりした和庭がポツンとあったのですが、なんとなく違和感があったので、このたびお庭のリフォームをご提案。和室からだけでなく、リビングからも木立が見えるよう、雑木を植えたしました。

景色のアクセントとして、石だたみを。

もともと灯篭へ向かって敷かれていた飛び石を、ところどころにあしらって。

では、このお庭のリフォーム状況を、ダイジェストで追ってみましょう。

まずは、リフォーム予定範囲の芝生を剥がしていきます。

ご主人が丁寧に管理されている芝生を剥がすのは、若干気が引けましたが…(^_^;)

そして石だたみをつくっていきます。

石仕事は、職人ごとに個性がでます。

でも、全体で統一されたリズム感が大事なので、そこに気を付けながら、

時折ポジションチェンジをしたりして、個性が偏らないように配慮しました。

今回使用したこの白い石は、岐阜県産の和良石。

錆がかった花崗岩。細かな加工がしやすく、しかも面が出ているので、とても使いやすい石でした。

さいきん庭師に人気の石なのがよくわかります(笑)

石だたみ制作の途中ですが、樹木を搬入です。

今回の現場は、搬入ルートが限られていたので、大きな木を入れるのが大変でした。

高さ5.5mのアオダモを、駐車場後ろのせまい階段を使って運び込みました。

そのほか、コナラ、シラキなど。

この住宅街は、地盤が固い地域。20~30センチほども掘れば固い基盤に当たります。

なるべく深くまでほぐし、樹木がしっかり根を張れるように配慮しました。

このような固い基盤の地ですから、やはり通気浸透水脈の造作は欠かせません。

下草を植えてマルチングをすれば完成です!

凹凸のあるナチュラルなラインの石だたみが、雑木の景になじみます。

既存の芝生との縁切りには、エッジ材と砂利を咬ませました。

これなら、芝生が入り込みにくいかと思います。

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作業のあいだ、毎日のようにチェロの演奏がきこえてきました。

旦那様は、元オーケストラの指揮者だったそう。

いろいろな楽器の音色を美しくまとめあげる指揮者。

雑木の庭も通ずるものがあるような気がしました。

新緑の季節になり、このお庭が一斉に芽吹き始めたころ、リビングからタクトを振って草木たちの音色に耳を傾けてくだされば幸いです。

素敵な物語を描かせていただき、ありがとうございました(*^_^*)

<2022/3/11 ”雑木の庭は、オーケストラのよう”>