前回竹垣(御簾垣)が造られてから推定10年以上。もう原型をとどめないほどにまで朽ちていましたので、作り直すことになりました。ただし、同じ御簾垣をつくるべきなのか…。
ここは家の裏側に当たり、その向こうは谷となり下を川が流れているということからして、壊れやすい形状のものは危ないのではないかと思い、なるべく骨格が頑丈なものを検討。
ということで、木製のフェンス(ウッドフェンス)をご提案させて頂きました。
御簾垣のラインを踏襲して横方向の板を這わせ、その間に何箇所かアクセントで小竹を挟み込む和モダンなデザイン。板の塗装は、母屋に合わせた落ち着きのある濃い茶色(ウォルナット)で。適度な目隠しと風通しを兼ね備えたウッド・バンブーフェンス。木材は、地元京都の桧材を使用しています。
竹のほうが早く朽ちるかとは思いますが、その際は、小竹のみ交換すればよいので、総合的なコストパフォーマンスはかなり高い構造だと思います。
ウッドフェンスは、アルミ等の素材に比べ温かみがあり、周囲の緑とも合い、とても柔らかな景観となります。定期的な重ね塗りをすればより耐久性は高まります。柱の根元に水が回りにくい構造にすれば、15年は問題なく使用できるものと思われます。近年木造住宅が再注目されていますし、お庭の背景へのウッドフェンスは大変おススメですよ。
<京都市左京区S様邸/2022>