山と繋がる庭。

2022年も余すところ10日ほどとなりました。

先月完成したナチュラルガーデンを紹介いたします。

植栽したのはちょうど紅葉の美しい季節でした。

敷地の裏が山になっているため、景色の連続性と自然観を大切に造らせて頂きました。

テーマは「山と繋がる庭」。

お客さまは転居から5年、ご自分で芝生を張ったりして使ってはいたのですが、このたび更なる魅力的な空間に、と切望しご依頼してくださいました。

まずは重機で土づくりから。

もともと農地だったため土質は悪くはなかったのですが、コンクリート用水路によって水や空気の通りが遮断されており、若干水はけも悪く粘土化が進行していたので、重機でしっかり攪拌し空気をたくさん含ませました。

お庭の中央は、家族が集える石張りデッキ。

柔らかな凹凸のあるナチュラルテイストな敷石が、とてもいい雰囲気ですね。

周囲から少し高さを上げ、立体感・浮遊感を出してみました。

高木を植栽していきます。

コナラ、アオダモ、アズキナシ、ヤマボウシなどの落葉広葉樹を主体とした雑木林のような空間をイメージ。

植栽する穴には藁をくぐらせ、底にはパーライト(焼成黒曜石)とともに竹炭・燻炭などを混ぜ込み、空気や水の通りを潤滑にするとともに、微生物の活性化を促すような環境を創出しています。

また、植栽した樹木の近辺には、縦穴を掘り、竹筒を炭や枝葉などとともに差し込み、通気通水の浸透を促します。

こうした措置をほどこすことで、酸欠気味だった土壌も徐々に生き返り、良好な土質へと変化していくのです。

植えるときに根鉢の周囲だけを土壌改良しても、その効果は一時的なもの。結局庭全体を空気や水がよく流れなければ、植物は健全に育ちません。こうした通気浸透水脈を庭全体に張り巡らせることで、庭の土全体がよくなり、そこに育つ植物たちも生き生きとするのです。土中環境の改善は、庭をつくるうえで一番大切なことと言っても過言ではありません。

玄関前から庭へのエントランスは、真砂土をベースとした三和土風園路としました。

また、お隣との軽い目隠しとして、隙間の広いウッドフェンスを制作設置。

3センチの隙間は風も光もよく通し、お隣さんとの圧迫感・遮蔽感もさほどありません。

玄関前から移設した立水栓は、モルタルを塗りアンティークな雰囲気に変身です!

プラスチック製のまんまよりも、お庭の風景に溶け込み、とてもいい雰囲気ですよね(^^)

こうして細かなところもこだわらせて頂き、約一か月の工期を経て、お庭は完成!!

土留めを兼ねたアーチ状の石積みが、お庭の景色のアクセントとなり、

裏の山とも景色が繋がる素敵なアプローチとなりました。

白い石だたみは、奥へと続く山道の入口をイメージして。

しばらくは外に出るのも寒い季節が続きますが、来年またあたたかくなったら、

元気なワンちゃんと一緒に、楽しいガーデンライフをお過ごしくださいね。

素晴らしい機会をくださったO様、本当にありがとうございました(*^-^*)

<2022/12/23 山と繋がる庭。>