2022年の歳の瀬。お風呂の窓から眺める、小さなお庭が完成しました。
石積みと板塀を背景とした和庭。
穏やかでしっとりとした空気感が心静かにさせてくれます。
もともとは竹や雑草の生えた荒れ気味の放置庭でした。
まずはこれらの竹を抜根するところから始まりました。
更地にすると、むき出しになったブロック塀とあみあみのフェンスが気になりますので、石積みとウッドフェンスで隠すことに。
ウッドフェンスの柱は耐久性を考慮してアルミ製に。
そしてその柱の根元を隠すように、滋賀県産の安曇川石を積んでいきます。
川石は角がまるいので、合端を合わせるのが意外と難しいんです。コヤスケなどの石道具を使って形を整えれば合わせやすいのですが、そうすると川石の柔らかい表情が消えてしまいます。見えるところはなるべくそのままが良いと私は思っています。
モルタルの使用は最小限にし、裏込めとして砂利や土で突き固めながら、一石一石丁寧に積んでいきました。
また、景色としての石同士の流れや一体感も大切ですので、なるべく横方向になるように配慮して積み上げていきました。
天端のラインをまっすぐにそろえるところが、石積みの一番の技術かもしれません。
石積みができたら、お次は灯篭や手水鉢、景石などの据付。全体のバランスを考えながら、配置をしていきます。
そしてウッドフェンス。材料は今回も、地元京都産の桧材。桧はお風呂などにも使われているように、もともと水に強い木材ですので、表面に防腐剤入り塗料を塗布(両面2回塗り仕上げ)しておけば、耐久性はさらに抜群に。
徐々に背景が隠れ、雰囲気が出てきましたよ。
ハード面が完成したら、最後は植栽で一気に仕上げていきます。
緑が入ると、景色がぐっと変わりますね!
苔も入り、ついにお庭は完成です。
汚水桝の蓋隠しに、お施主様の駐車場の後ろに眠っていた赤い壺を…。意外とオシャレなアクセントかも(笑)
お風呂から眺めるお庭ですので、ライトアップは不可欠。
濡れた石積みや手水鉢が上質な雰囲気を醸しています。
素敵なお庭がまたひとつ完成しました。
M様、ありがとうございました。長風呂でのぼせないようにお気を付けくださいね。
<2022/12/30 石積みのある庭>